ダイモンジソウ(大文字草) [ユキノシタ科]
289-11 ユキノシタ科 ユキノシタ属
ユキノシタ属の学名 (Saxifraga) は「saxum=岩」と「frago=割る」の2語のラテン語から造られている。岩の間に咲く花ということからなのだろう。
1.ダイモンジソウ ~ Saxifraga fortunei var. incisolobata~
ダイモンジソウ(大文字草)
撮 影: 栽培 2007. 10. 20.
Memo: 山地のあまり陽光が当たらない湿った岩場や渓谷の岩上に生える多年草。名前は花の形が「大」の字に似ることからきているが、栽培品には八重咲きや花弁に切れ込みが入るものが多くなってきている。
2.ミヤマダイモンジソウ ~ S. fortunei var. alpina~
ミヤマダイモンジソウ (深山大文字草)
撮 影: 早池峰山 2011. 8. 11.
Memo: ダイモンジソウの高山種で、本州中部以北の亜高山帯~高山帯の湿った岩場や草地に生育。ダイモンジソウに較べ花びらが短く下の花びら2個は極端に長くならず、5個の花弁の長さが不揃いの場合が多い。
3.ホシザキユキノシタ ~ S. stolonifera Curtis f. aptera ~
ホシザキユキノシタ(星咲雪ノ下)
撮 影: 筑波実験植物園 2015. 5. 14.
Memo: ユキノシタの品種で筑波山で発見された日本固有種。ユキノシタは下側の2枚の花弁が長いのが普通だが、本品種は上側の3枚の花弁と同じくらいの長さで花弁の幅が狭い。下の花弁が退化して雄しべとなっているものもある。通常の雄しべと共に放射相称になって星形の花に見える。
4.ムラサキクモマグサ ~ S. oppositifolia ~
苦灰岩質の岩場の所々に群生する ~ムラサキクモマグサ~
白っぽい岩場の中で紅紫色~紫色の5枚の花弁が目立つ
撮 影: ドロミテアルプス・ラガツォイ展望台付近 2016. 7. 5.
Memo: 別名:ムラサキユキノシタ、イワツヅリ。寒冷地の湿気のある岩場や岩の裂け目、石の多いところに生育。根生葉はロゼットの葉沈を形成する。花は広披針形~卵形で、紅紫色~紫色の5枚の花弁で、茎頂の単花で咲く。
5.ユキノシタ属・アイゾイデス ~ S. aizoides ~
川原の石に間から顔を出す ~ユキノシタ属・アイゾイデス ~
撮 影: ドロミテアルプス・パステルツェ氷河周辺 2016. 7. 8.
Memo: 日当たりの良い川原や石の多いところに生育。狹披針形の葉は多肉質で縁には毛がある。茎は分岐し広く横に這う。頭頂に5~10個位のレモンイエロー~橙色の花を付ける。
6.ユキノシタ属 ブリオイデス ~ S. bryoides ~
大きな岩にロゼット葉が広がる
5枚の花弁の内側に赤橙色の斑点
一本の花茎の先端に花が付く
撮 影: チロルアルプス・ホッホデルゼン高原 2016. 7. 2.
Memo: 小さな披針形の葉がロゼットで広がり、密集して葉沈を形成する。茎葉は互生する。どちらの葉にも縁に毛がある。葉の間から花茎を伸ばし、頭頂に単花を付ける。白い5枚の花弁の内側は淡黄色で赤橙色の斑点がある。
7.ユキンシタ属・パニクラータ ~ S. paniculata ~
岩の隙間に立ち上がる(草丈葯20cm) ~ユキンシタ属・パニクラータ~
多数の小花を茎の上部に付ける
撮 影: ドロミテアルプス・パステルツェ氷河周辺 2016. 7. 8.
Memo: 広い草原や崖に多く生育。ロゼット葉は卵形で灰緑色、鋸歯があり、長さは1~3cm位。茎葉は直立した茎に互生する。茎上部に5~40個位の小花を円錐状に付ける。花弁は白色で、ときに赤い斑点がある。
8.ユキノシタ属・ステアリス ~ S. stellaris ~
小川の土手付近に咲く ~ユキノシタ属・ステアリス~ 葉に光沢がある
茎の上部に集散花序
花弁にはそれぞれ2個の黄色い斑点
撮 影: チロルドロミテアルプス 1枚目:2016.7.3 2枚目:2017.7.8 3枚目:2016.7.2
Memo 日当たりの良い小川の土手や湿地に生育。ロゼット葉は倒卵形で光沢があり、先端は粗い鋸歯縁。茎上部に3~15個の白い小花を付ける。花弁は5枚で、それぞれの花弁に2個ずつの黄色の斑点がある。
次回へ ・・・・・ 続きます
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