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リュウキンカ(立金花) [キンポウゲ科]


303-16 キンポウゲ科 リュウキンカ属



  1.リュウキンカ ~Caltha palustris var. nipponica

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リュウキンカ(立金花)


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立金花の由来は ・・・ 茎が直立し、黄金色の花をつけることから


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葉は円心形~腎円形で、浅い鋸歯がある


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撮 影: 1~2枚目: 山形市野草園 2013. 5. 9.    2枚目: 戸隠森林植物園 2012. 6. 2.      

     4枚目  :戸隠森林植物園2011. 5. 8. 

Memo: 本州・九州の山地帯の湿地の生育する多年草。根出葉は長い葉柄をもって束生し、葉は円心形~腎円形で、浅い鋸歯がある。茎葉は茎の上部につき、小さくて柄がほとんどない。花茎の高さは15~50cm位。花期は5~7月。黄色の花弁状に見えるのは萼片で、ふつう5個、まれに6~7個つく。基準種はヨーロッパ。



  2.リュウキンカの母種  C. pulustris ~ 

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トレチーメのLangalm小屋近くの水場に咲く ~ 日本の立金花の母種? ~


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黄色の花弁状に見えるのは萼片


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撮 影:  ドロミテアルプス・ 2016. 7.  6.   

Memo:  日本のリュウキンカやエンコウソウなどの母種に当たる(?)。根出葉は束生し、長い柄がある。葉は心形~腎円形で純鋸歯がある。茎葉はほとんど柄がなく小さい。


  3.エンコウソウ  C. pulustris  var. enkoso ~ 

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エンコウソウ(猿喉草)

花弁状に見えるのは萼片。ふつうは5枚だが、この花は6枚(下の画像は7枚)ある。


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地面を這うように伸びる茎


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撮 影:  アルプの里  2015. 6. 18.   

Memo: 北海道~本州の低地や山地の湿地や水辺に生育する。葉は腎円形で、縁には粗い鋸歯がある。 葉には艶があり、葉のつけ根の部分は重ならず開いている。茎先が斜上し、黄色い花をつける。 花は普通は2輪ずつつく。 「猿候」というのは手長猿ないし河童の別名。 地面を這う茎を手長猿の手に見立てたものだという。



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オキナグサ(翁草) [キンポウゲ科]


303-15 キンポウゲ科 オキナグサ属

北半球の暖帯以北に広く分布し、日本では2種(オキナグサ、ツクモグサ)が生育。直立または斜上する太い根茎がある。根出葉は、羽状複葉~掌状複葉~3出状の複葉となる。根出葉の腋から花茎を立てる。茎につく葉は3枚が輪生する。若い時の葉は長い白毛で被われる。花後に花柱の長い白毛がさらに伸長し、羽毛状になる(イチリンソウ属との違い)。



  1.オキナグサ ~ Pulsatilla cernua

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栽培のオキナグサ(翁草)


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茎や花には全体的に白い毛で覆われる


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花後は種子が付いた白い綿毛となる


撮 影: 1枚目: 山形市野草園 2013. 5. 9.    2~3枚目: 北欧の旅の途中で 2012. 7. 3       

Memo: 山地の日当たりのよい草原や河川の堤防などに生育。根出葉は2回羽状複葉で長い柄で束生し、小葉はさらに深裂する。茎葉は3枚が輪生し、無柄で基部が合着し、先は線状の裂片になる。全体的に白い長い毛におおわれる。花期は4~5月。花茎の先端に暗赤紫色の花を1個つける。開花の頃はうつむいて咲くが、後に上向きに変化する。花弁にみえる萼片は6枚で、外側は白い毛でおおわれる。



  2.オキナグサの仲間 ~ Pulsatilla apiifolia

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チロルアルプスの大草原(遠くの黄色の花はキンポウゲの仲間)


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茎頂に杯形の単花を付ける 葉や茎は白毛に覆われている


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撮 影: 1~2枚目: チロルアルプス・ホッホデルゼン 2016. 7. 2.   

       3枚目    : チロルアルプス・ホーエムート 2016. 7. 3.       

Memo: 日当たりの良い草地でアルカリ状の土壌の土地に好んで生育。根生葉は長い柄をもち束生し、茎葉は3枚が輪生する。葉は3出複葉で小葉は2回3出複葉に裂ける茎葉共に白毛に覆われる。



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キタダケソウの仲間 [キンポウゲ科]


303-14 キンポウゲ科 キタダケソウ属

キタダケソウ屬はアジアからヨーロッパにかけて生育。高さは10~30cm位で、白い花を数輪付ける多年草。日本では北岳特産のキタダケソウと、ヒダカソウ、キリギシソウの3種が確認されているが、全て局所的な分布で絶滅が危惧されている。



  1.コリアンドリフォリウム・キタダケソウ ~ Callianthemum coriandrifolium ~

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苦灰岩質の砂礫地に列状に這う 草丈が5~6cm


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花冠は純白 キタダケソウに比べて花弁の幅が広い


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小葉は3深裂している 花冠の大きさが目立つ


撮 影:  ドロミテアルプス・ラガツォイ 2016.7. 5.   

Memo:  根生葉には柄があり、小葉は3深裂し、裂片は更に2~3裂している。花は純白で、茎の先に1個つく。花弁は5個で、先が浅く凹んでいる。

日本のキタダケソウ(Callianthemum insigne var. hondoense )は北岳の高山帯の礫まじりの草地に生育。花弁は6~8個で本種より細長い。朝鮮北部の冠帽峰に生育するウメザキサバノオの変種とされている。



  2.ヒダカソウ ~ C. miyabeanum ~

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栽培園の植栽


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撮 影:  アルプの里 2015. 6.18.   

Memo:   北海道のアポイ岳、糠平川上流付近に特産する。キタダケソウに似ているが、葉が開く前に開花する点が異なる。



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キンポウゲ(金鳳花) [キンポウゲ科]


303-13 キンポウゲ科 キンポウゲ属



  1.キンポウゲ ~ Ranunculus japonicus ~

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キンポウゲ(金鳳花)


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1回3出複葉で掌状に3~5裂。小葉の切れこみは浅く、鳥の足のような葉。


撮 影: 北欧の旅の途中で 2012.7.1 

Memo:  別名ウマノアシガタ(馬の足形)。日当たりの良い山野に生育。草丈は30~60cm位で、茎と葉の裏には白い毛がある。根生葉には長い柄があって、やや深く掌状に3~5裂し、茎葉にはほとんど柄がなく、線状の3裂片がつく



  2.ミヤマキンポウゲ ~ R. acris var. nipponicus

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雪田周辺や雪崩の多い草地などに群生する


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花は黄色い5弁花で、表面には艶がある


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葉は深く3裂、それぞれが更に細かく裂けている。

撮 影: 1・3枚目:木曽駒ヶ岳 2011.7.30.   2枚目:白山 2012.10.6

Memo: 海道から中部地方以北の亜高山帯~高山帯の湿った場所に生育。高さは10~50cm位になる。葉は大きく3つに裂け、それぞれがさらに細かく裂けている。7~8月の頃、黄色で丸みを帯びた、光沢のある花弁(普通は5枚)をつける。雪解けの後に、雪渓周辺に大群落をつくる。

牛や馬などの家畜が食べると中毒を起こすというが、ニホンジカは好物らしい。南アルプスでは、ミヤマキンポウゲやシナノキンバイなどの高山植物が食害で、お花畑が消滅する事態になっているという。



  3.キンポウゲ属 ~ R. aconitifolius

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撮 影: 1~3枚目:ドロミテアルプス・カレッツア湖畔 2016.7. 5. 

     4枚目  :チロルアルプス・ホッホゼルデン高原  2016. 7. 2

Memo: 草丈20~70cm位で、3~7裂した掌状の葉を互生する。茎の上部で分岐して、白い5弁からなる花を付ける。



  4.キンポウゲ属 ~ R. glacialis

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撮 影: チロルアルプス・ゼーフェルダーヨッホ  2016.7. 1. 

Memo: ヨーロッパの山地や高山の雪田などの湿った砂礫地に生育する。高さは10~15位。根出葉は多肉質で光沢があり、3深裂して短い葉柄がある。茎の上部の葉は線形で無柄。白色杯形の5弁花を茎頂に付ける。開花後、時間が経つと花弁が桃色~濃紅茶色に変化する。北岳に生える「キタダケソウ」に似ている。



  5.キンポウゲ属 sp.

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チンクエトーリの岩場斜面にある大群落


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草原に金色の花冠が目立つ


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日本の “キンポウゲ” 似た花・葉


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広倒卵形で光沢のある花弁

撮 影: チロルドロミテアルプス  2016.7. 1. ~ 7.7.

Memo: 花や葉・茎の大きさ、形などから・・・ Ranunculus acris(日本のキンポウゲ、ミヤマキンポウゲの基本種)R. montanus に似ている。



  6.バイカモ ~ Ranunculus nipponicus var. submersus ~

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バイカモ(梅花藻)


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梅の花に似た5弁花 ~ 別名:ウメバチモ ~


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撮 影: 筑波実験植物園  2015. 5. 14.

Memo: 日本固有種。冷涼で水量が安定している清流中に生育。初夏から初秋にかけて、水中でウメの花に似た白い花をつける。葉は濃緑色で分裂し流れに沿って1m位に伸びる。



 



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キンバイソウ(金梅草) [キンポウゲ科]


303-12 キンポウゲ科 キンバイソウ属

  1.キンバイソウ  ~ Trollius hondoensis ~

11-1キンバイソウ.jpgキンバイソウ(金梅草)
茎は節ごとに2分岐して直立。茎上部の茎葉は無柄の掌状形。


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花弁状に見えるのは萼片梅のような花で黄色~金梅~ご名前の由来だろう。


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萼片よりも濃い橙色で、雄しべより細長い花弁が特徴。


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花・・・・・UP(濃い橙色が花弁)

撮 影: 霧ヶ峰高原 2011. 7.29. 

Memo:  中部地方と近畿地方の山地~亜高山帯の林縁や草地に生育する大型の多年草。花期:7~8月。草丈は40~100cmで、茎は節ごとに2分岐して直立する。根生葉と下部の茎葉には長い柄があるが、上部の茎葉は葉柄。葉は3全裂し、更に3裂し、裂片には不揃いの鋸歯がある。花は直径3~4cmで、橙黄色で花弁状の萼片が5個つく。花弁は長さ1~1.2cmの線形で濃い橙色、雄しべよりかなり長い。



  2.チシマノキンバイソウ  ~ T. riederianus ~

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チシマノキンバイソウ  ~千島金梅草~


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蕾と花


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萼片(花弁状に見える)は普通5枚


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花弁(細長く雄しべのように見える、濃い橙色)は雄しべと同じ長さ

撮 影: 大雪山黒岳 2012. 7.26. 

Memo:  北海道中央高地の高山帯の主に草地に生育する、高さ20~80cm位の多年草。花期:7~8月。根生葉には長い柄があり、3全裂して更に貴部近くまで深裂する(5出掌状複葉に見える)。裂片には鋭い鋸歯がある。上部のものほど葉柄は短くなる。橙黄色で花弁のように見えるのは萼片。花弁は長さ1~1.3cmの線形で、雄しべとほぼ同長で、濃い橙色。別名キタキンバイソウ。



  3.シナノキンバイ  ~ T. riederianus var. japonicus ~

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シナノキンバイ(信濃金梅)


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花弁状の萼片は5~7枚


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花弁状に見えるのが萼片 濃い橙色が花弁 黄色は雄しべと雌しべ


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花弁(雄しべに混じって見える濃い橙色)は雄しべより短い


撮 影: 木曽駒ヶ岳 2011. 7.30. 

Memo:  北海道と本州中部地方以北の亜高山帯~高山帯の草原に生育する多年草。チシマノキンバイソウの変種で、別名エゾノキンビソウ(蝦夷の金梅草)という。花期:7~8月。高さは20~70cm。花弁状に見える萼片は5~7個。花弁は濃い橙黄色で雄しべより短い。



☆☆☆☆☆ 比較 キンバイソウ ~ チシマノキンバイソウ ~ シナノキンバイソ ☆☆☆☆☆

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左からキンバイソウ、チシマノキンバイソウ、シナノキンバイ

花弁(濃い橙色で細長い形)が雄しべより 長い ~ 同じ ~ 短い という違いがある。



  4.セイヨウキンバイソウ  ~ Trollius europaeus ~

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ホーエムートの斜面を飾るセイヨウキンバイソウ(西洋金梅草)の群落


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花はこれ以上開かない ~グローブフラワーとも呼ばれる~


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黄色の大きな花は遠くからもよく目立つ


撮 影: 1・3枚目:ドロミテアルプス・トレチーメ  2016. 7. 3. 

              2枚目    :チロルアルプス・ホーエムート 2016. 7. 6.

Memo:  ヨーロッパの北部から中南部の高山の湿潤な草原や低木地帯に生育。 高さは45~60cm。花期:6~7月。根生葉は長い柄があり、上に行くほど短くなる。掌状に裂け、2~3出複葉(のように見える)。黄色い花をつけるが、花は球状のまま全開しない。花弁状の萼片は10~15枚重なり合う。



次回へ ・・・・・ 続きます。


ニリンソウ(二輪草) [キンポウゲ科]


 

303-11 キンポウゲ科 イチリンソウ属-2


  8.ニリンソウ(二輪草) ~Anemone flaccida~ 

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1本の茎から2本ずつ花茎が伸びることが多いことから、ニリンソウ(二輪草)の名がついている。


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萼片は普通5枚と言われているが、6枚以上のこともある。

撮 影: 戸隠山麓 2012. 6. 2. (下画像は自宅中庭 2012. 4. 14)

Memo:   落葉広葉樹林の林床や林縁などに生育。茎葉は深く3裂した3枚が輪生し、葉柄はない。表面には白斑がある。3~5月茎の先に普通二本の花茎を立ち上げ、大きさ約2センチの白色花を上向きにつける。花弁はなく、花弁状に見えるのは萼片。

キンポウゲ科は有毒植物が多いが、ニリンソウの若芽は山菜として食用にされている。有毒なトリカブトの若葉にも似ており、毎年山菜採りの時期に中毒の報告がある。 



  9.ヤエニリンソウ(八重二輪草) 

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撮 影:仙台市野草園 2013. 5. 9. 

Memo: ニリンソウの八重咲き品種。花弁の様に見える白い萼片が15枚程になる半八重咲き品をギンサカズキイチゲ、雄蕊の全てが弁化したものをヤエザキニリンソウと呼ぶらしい。



  10.サンリンソウ (三輪草)~A. stolonifera~

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茎葉には葉柄があり、斑が入らない。


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左:サンリンソウ      右:ニリンソウ

ニリンソウもサンリンソウも花茎が3本のものや1本のものもある。葉柄や斑の有無で区別できる。


撮 影:奥白根山 2013. 7. 6. 

Memo: 根出葉は3出複葉、小葉はさらに2深裂する。茎葉は3枚が輪生し、小葉は更に3深裂する。同属のニリンソウがは輪生する茎葉に葉柄がないが、本種は短い柄をもつ。また、ニリンソウは葉に小さな斑があるが本種はない。



   

  11.アネモネ・トリフォリア ~ A. trifolia ~

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撮  影:ヨーロッパアルプス ~チロル・ドロミテ地方~ 2016. 7. 6.

Memo : 草丈が10~30cm程度で花弁状の萼片が6~7枚。5~7月頃花茎を一本伸ばして花を付ける。学名の "trifolia” はラテン語で「三つの葉」という意味。



  12.アネモネ・バルデンシス ~ A. baldensis ~

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31-2 イチリンソウ属 baldensis-1.jpg31-2 イチリンソウ属 baldensis-2.jpg

撮  影:ヨーロッパアルプス ~チロル・ドロミテ地方~ 2016. 7. 5.

Memo  :岩場や岩礫地に生え、高さは10cm程度。根生葉や茎葉は3出複葉で、小葉は更に3裂する。7~8月に白色の花弁状の萼片を8~10個付ける。果実は綿毛のある痩果となる。

 



 13.アネモネ(牡丹一華) ~ A.  coronaria ~

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撮   影:栽培   2008.  5. 5.

Memo  :花は一重咲や八重咲があり、色も桃、青、赤、白等様々。野生種ばかりではなく栽培種も多い。他のイチリンソウ属と同様に、花弁はなく、花弁状に見えるのは萼片。"花一華” とも言う。



  14.シュウメイギク(秋明菊) ~ A.  hupehensis ~

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51-2 シュウメイギク1.jpg51-2 シュウメイギク2.jpg

撮 影:栽培  2010.11.14.

Memo:中国原産の帰化植物。日本の野生種は中国から入ってきたものが野生化したのかもしれない。花弁がなく花に見えるのは萼片。高さは90~120cmと他のイチリンソウに比べて大きくなる。秋に白又は赤紫色の花を咲かせる。秋牡丹、貴船菊ともいう。



次回へ ・・・・・ 続きます。


イチリンソウ(一輪草) [キンポウゲ科]


303-11 キンポウゲ科 イチリンソウ属-1

イチリンソウ属の属名 ~Anemone~ はギリシャ語の "anemos(風)” からきたもので、風の強いところに多いことによるといわれている。花弁はなく、花弁のように見えるものは萼片、葉は3出複葉または掌状に裂ける。


  1.イチリンソウ(一輪草) ~Anemone nikoensis

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早春の落葉樹林は木々の葉も繁らず、他の植物の芽も伸びていない。そのため、林床には暖かな陽光が当たる。"早春季植物" は日光を "独り占め” することができる。


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撮 影: 角田山麓 2011. 4.28. 

Memo:  落葉広葉樹林の林床や林縁に生育。茎葉は3枚が輪生、小葉は3出複葉で羽状に深く裂ける。花期は4~5月。花弁はなく、花弁状に見えるのは萼片。萼片は白色で5~6枚、裏面は紅色を帯びる場合がある。

花が咲いた後、落葉樹の葉が繁るのと合わせて地上部が枯れ始める。初夏には地上部が全て枯れ、地下茎で過ごす。このような植物が "早春季植物~スプリング・エフェメラル~" と呼ばれる。早春のお花畑の主人公たちだ。



  2.キクザキイチゲ (菊咲一華) A. pseudoaltaica

萼片(花弁状に見える)の色や形、数、そして葉の色などの変異が大きい。


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春を謳歌  ~ 落葉樹林の林床に見られる群落 ~

樹木の葉が繁らないうちに一斉に花や葉を広げ、全身で陽の光を浴びている。


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白花


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青花


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白花・多萼(半八重咲き)       濃紺花 


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八重咲き(蕊が全て萼片に変化)


撮 影: 五頭山麓 2012. 4.15.白花・多萼、濃紺花、八重咲きは栽培で、3.16~5.11撮影)

Memo:  別名キクザキイチリンソウ(菊咲一輪草 )で、キクに似た花を一輪つけることからこの名がついた。またルリイチゲ(瑠璃一華)は濃紺(瑠璃色)の花の色からついた。落葉広葉樹林の林床や林縁などに生育。茎葉は柄のある三小葉で、小葉は深く切れ込む。高さ10~30cm。花期は3~5月で、白色~紫色の花を一輪つける。花弁はなく、花弁状の萼片をつける。萼片の数には変異が多い。

 "早春季植物~スプリング・エフェメラル~" と呼ばれる。



  3.ヤブイチゲ(藪一華) ~A. nemorosa~   

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この栽培品種は草丈が7~8cmと低く、"花” も小さい。


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 花茎の先に純白の花を付ける。花の中央部は蕊が弁化したもの

撮 影: 栽培 2011. 4.24

Memo:  草丈は15~25cm位、根生葉は2回3出複葉、小葉に葉柄があり3個に別れている。花弁状の萼片は6~7個だが、中央部分にある雄蕊や雌蕊もほとんどが萼となっている。"八重イチゲ” と言う名で出回っているが、ヨーロッパやアジア北東部に自生するヤブイチゲの八重咲品種のようだ。赤城自然園では "ヤブイチゲ" の大群落があるというので、いつか見てみたい。 



  4.アズマイチゲ (東一華) ~A. raddeana~

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春の雪解け直後に花茎を伸ばし、花を付ける。まわりはギョウジャニンニクの若芽。


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葉の切れ込みや垂れているところがキクザキイチゲとは異なる。


撮 影: 戸隠山麓 2011. 5. 8 

Memo:  主に温帯落葉樹林の林床や林縁に生育。根生葉は “2回3出複葉” で、小葉は柔らかく3裂する。茎葉には柄があり “3出複葉” で輪生する。花期は3~5月。花弁のように見えるのは萼片。キクザキイチゲに似るが、こちらは葉が垂れ、葉の切れ込みも深くない。

"早春季植物~スプリング・エフェメラル~" と呼ばれる。


  5.ヒメイチゲ (姫一華) ~A. debilis ~

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左の花:5枚ある花弁状の萼片のうち、2枚が落下   右:果実 


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花は大きさ約1cmで一個ずつつく


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茎葉は短かい柄が有り、3枚輪生する


撮 影: 1枚目:日光白根山 2013. 7. 6.  2~3枚目:四阿山山麓 2015.5.24. 

Memo:   北海道、本州の近畿地方以北の亜高山帯針葉樹林~高山帯ハイマツ林の林縁や尾根の湿った草地に生育。根生葉は1回3出複葉で、茎葉は短かい柄が有り、3枚輪生する。5~6月に花茎の先に1個の花を付ける。花に花弁はなく、白色の萼が5枚ある。



  6.フタマタイチゲ (二股一華) ~A. dochotoma ~

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名前の由来 ・・・ 花茎が二股に分かれ、それぞれに一輪の花を付けることから。


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撮 影: 日光竜頭滝 2013. 7. 7.    おそらく栽培だろう

Memo:   絶滅危惧Ⅱ類(VU)北海道などの湿った草原に生育する阿寒帯性の植物。草丈は40~60cmになり、匍匐枝を伸ばして広がる。葉は3つに深裂し対生する。6月~7月頃、二股に分枝した分岐点から花柄を伸ばし、白色または淡紅色を帯びた花を1個つける。



  7.ハクサンイチゲ (白山一華) ~A. flaccida~

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雪がとけると、乾燥しがちな尾根道周辺で大群落をつくる。


21-2 ハクサンイチゲ1.jpg21-2 ハクサンイチゲ2.jpg

花は2~6個付き、咲き進むと花柄は長く伸び上がり30cmになるものもある。


撮 影: 月山山麓 2014. 7. 5. (下右画像は 立山五色ヶ原 2014.7.29)

Memo:   高山植物の代表的な種で、中部地方以北から東北地方の亜高山~高山帯の湿った草原に生育。花期は6 ~ 8月で、雪の解けた後に群生が見られる。花弁状に見える白色の部分は萼片。茎の途中にえりまきのような柄のない葉がつき,そこから数本の花柄が伸び、それぞれに一花を開く。萼片数は5~7枚といわれているが、もっと多いものもある。名前は “白山一華(花)” という意味で、石川県の白山に基準種がある。



次回へ ・・・・・ 続きます。


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